2017年11月21日(火)に放送された「雨上がりの「Aさんの話」」にて、詐欺に騙されないと思われている大阪人こそ狙われやすい「最新『劇場型』サギの話」が放送。
詐欺被害に遭いやすいお年寄りに限らず若者や女性もターゲットになっているとのこと。
また、番組では「愛人契約サギ」や「荷受けサギ」などの最新の詐欺から、グループになって不動産や土地売買を行う「地面師」などの恐るべき詐欺の手口なども紹介。
今回は番組内で登場した、詐欺にまつわる情報についてまとめました。
Contents
劇場型詐欺って?
劇場型詐欺とは、当事者以外の人を巻き込む、小道具を使う、ストーリーを練るなどの小細工を仕込んで用意周到に行われる詐欺のことです。
「自分は詐欺には騙されない!」と楽観的に思っている人ほど、この劇場型詐欺の被害者になりやすいと言われています。
今まで詐欺と言えば、孫や子供を装ってお年寄りを騙す「振り込め詐欺」をイメージすることから、詐欺の被害に遭っているのはお年寄りである、という先入観を持たれる人も多いですが、この劇場型の詐欺はお年寄りではなく、若者や学生がターゲットになっています。
また、お金にうるさく詐欺のターゲットになりにくいと思われがちな大阪人も、おなじく劇場型詐欺の被害者になりやすいと言われています。
番組では、事情痛Aさんとして、詐欺・悪徳商法評論家の多田文明さんにより、最新の劇場型詐欺の手口が解明されました。
詐欺に騙されにくい大阪人こそ「還付金詐欺」のターゲット
番組では大阪人が本当に詐欺に騙されにくいのかを示すデータが登場。
国民生活白書によれば2008年の振り込め詐欺の被害認知件数ランキングでは、1位が東京都、2位埼玉県、3位が岡山県と続くなか、大阪はなんと43位という結果に。
しかし、2016年のデータでは詐欺による被害額は大阪が東京を抜いてワースト1位という驚きの結果に。被害額の合計は52億6000万円とのこと。
詐欺に強く騙されないという自信が大阪人が、なぜこんな結果になってしまったのかというと、その自信を利用した詐欺が登場したからなのです。
それが、還付金詐欺
付金詐欺は払いすぎた保険料や医療費が返金されると偽り、ATMに誘導させる手口の詐欺で、「自分は騙されない」と自信がある人狙われやすい詐欺の手口です。
振り込め詐欺と違って「払いすぎたお金が返ってくる」という手口なので、つい詐欺師の話を信じ込んでしまい騙されてしまいます。
還付金詐欺は大阪人や関西人に限らず、お金を払うことについては注意深くなってても、お金が戻ってくるという話は信じ込んでしまう人間の心理をたくみに利用した詐欺なので要注意ということです。
女性が狙われている「愛人契約詐欺」の手口
騙されないと思っている女性ほど気をつけたいのは「愛人契約詐欺」。
愛人契約詐欺は「パパ活」のように女性が高収入の男性と付き合えるウェブサイトにアクセスすることで、巻き込まれてしまう手口の詐欺です。
愛人となる詐欺師達は、実在する大企業の重役や役職になりきった名刺を偽造して近づく、お小遣いやショッピングなどで自分は経済力があることをアピールするという特徴があります。
もちろん、ここまでお金を出してしまうと狙われた女性は「なんかこの人おかしい?」と不信感を抱きますが、詐欺師にとってはそれは計算済み。
不信感を抱いた頃を見計らって愛人契約を提案。あえて「俺はお金で女性をものにしたいゲスな男です」とゲス男になりきってアプローチをかけてくるのです。
こうすることで、条件次第で愛人契約をOKしてしまう女性が出てしまいます。
愛人契約が結ばれた後は、毎月の愛人料とは別にターゲットになった女性のクレジットカードの支払いも肩代わりと提案。こうしてクレジットカード情報が愛人の男性に渡ることで、クレジットカードが勝手に使われ、詐欺被害に遭ってしまうというわけです。
クレジットカードはたとえ仲のいい人であっても自分以外の他人に貸さない、教えないことが大切と、多田文明さんはおっしゃっておられます。
若者が狙われている「荷受け詐欺」の手口
割のいいアルバイトになるとして若者がターゲットになっているのが荷受け詐欺。
荷受け詐欺とは、未成年が購入できないものなど自宅で受け取りににくい商品の差出人を返すことで怪しくない商品に変えて、依頼者のもとに発送するという荷受けのアルバイトとして若者の間でひろまっています。
アルバイトを希望する場合は、希望者は詐欺師に運転免許証などの身分証明所の提出を求めることが多いと言われています。
荷受け詐欺の特筆すべき特徴は詐欺なのに本当にアルバイト料が振込まれるという点。これにより、荷受けアルバイトへの不信感が薄まり騙されやすくなってしまいます。
しかし、不信感が薄まったタイミングで、詐欺師は最初に提出した免許証などの個人情報を利用して格安スマホなどを契約。知らない間に自分名義で契約されたスマホが使われ、多額の請求書が自分のもとに届いて初めて詐欺だと気づくわけです。
そしてこの詐欺に使われていた荷物の中身は、実はいかがわしいものでもなんでもなく、自分名義で契約された格安スマホ。そのスマホを自分名義で受け取って詐欺師に送っていたというオチです。
音声ガイダンスによる「音声ガイダンス詐欺」の手口
荷物の再配達などで使われる電話を使った音声ガイダンスを利用した「音声ガイダンス詐欺」も番組では登場。
音声ガイダンス詐欺は、「お客様名義のクレジットカードが不正に作られている」と大手企業を語り電話をかけ、音声ガイダンスの指示通りに誘導するという手口の詐欺です。
ガイダンスでは最初は詐欺師が演じるお客様窓口に繋いで警察に被害届を出すよう提案し、そのまま詐欺師が演じる警察署に電話をつなぐという手口です。
勝手にカードが作られたと聞くことで怖くなってなかなか電話を切ることができないことに加えて、警察が登場することで、詐欺師に言われるがままお金をお支払ってしまうことになります。
音声ガイダンス詐欺の被害に遭わないためには、一度電話を切って自分で警察に電話をするようにしましょう。
大手住宅メーカーも被害にあった「地面師」の手口
地面師について解説する事情通AさんはT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚さん。
地面師とは、勝手に土地の所有者になりすまし、土地の関係書類をでっちあげて転売する詐欺師、および詐欺集団のことです。
地面師という言葉が登場したのは土地売買が盛んだったバブル時代ですが、近年は東京オリンピックに向けて再び登場しているとのことです。
地面師には、取引で利用される台本を描く脚本家、詐欺のターゲットとなる人や物件を見つける手配師、偽造書類や印鑑などを用意する道具師などの各分野のスペシャリストの手によって行われます。
そしてこれらのスペシャリストを取りまとめるのが黒幕。黒幕は取引の表舞台には一切登場せず、指示を出すこと徹底します。
また、地面師による詐欺は被害者の中にも地面師のメンバーとして活動する人が存在しているケースがあります。被害に遭う買い手、弁護士、不動産屋などの人たちもメンバーとして引き入れます。
そのため、騙す側も誰が地面師のメンバーか把握できないので、立件が難しいという特徴があります
番組では大手住宅メーカーが被害にあい63億円も騙し取られたケースも登場。土地売買のプロでも被害に遭ってしまう最強最悪の詐欺です。
なお、今回登場した詐欺の話は、「闇金ウシジマくん」や「ギャングース」、「ナニワ金融道」などのお金にまつわる漫画を読んでる人なら、ピーンとくるものがあるかもしれませんね。
漫画の世界で起きている詐欺も、決してフィクションのものではなく実際に起きているものだと思うと、これらの漫画を読むのも詐欺対策には効果的と言えますね。
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