虫歯にならないためには歯磨きをするのが常識…と思われていますが、最近では食事が終わってすぐに歯磨きをしてしまうと、虫歯や歯周病になりやすいということが明らかになっています。
そもそも食後すぐに歯磨きをするという習慣が生まれたのは今からおよそ50年ほど前。
当時はなぜ虫歯になるのかすら明らかになっておらず、虫歯の研究が十分ではなかったという歴史的背景があります。
現在では虫歯の原因や歯の健康に関する研究がすすんだことから、虫歯を防ぐためには食後すぐではなく、30分~1時間にするのが良いとされています。
また、最近は虫歯だけでなく歯周病についてもその恐ろしさが認知されるようになっています。
歯周病のせいで糖尿病やアルツハイマー病などの病気が引き起こされる可能性も浮上し、正しく歯を磨くことは、健康的に長く過ごせるための秘訣とも言えます。
今回は、知っておくと役立つ歯周病に関する豆知識をおまとめします。
Contents
歯周病とは
歯周病とは、歯と歯茎の間に発生した雑菌により歯肉が炎症を起こしてしまう病気のことを言います。
歯周病になると
- 歯茎が赤くなる
- 口臭が発生する
- 固いものが噛みにくくなる
- 食べ物が歯の隙間に挟まる
と言った症状が出ることがあります。
しかし、上にあげた症状はあくまでも歯周病の一症状にすぎず、歯周病により歯の周辺で発生した雑菌が体中に行き渡ってしまうと、アルツハイマー病などを引き起こしてしまう原因になってしまいます。
そもそも、口の中には空気中の見えない雑菌が数多く存在しており、その雑菌が歯周病で傷んだ歯肉から直接体の中に入ってきてしまいます。
歯周病が引き起こす病気
糖尿病
歯周病は生活習慣病としても有名な糖尿病とも深く関わりのある病気です。
糖尿病は血糖値を下げるインスリンの分泌が低下して、血中の血糖値が高い状態になる病気ですが、歯周病により歯茎が炎症を起こした時に分泌されるあるタンパク質がインスリンの働きを阻害するために、糖尿病を引き起こすとされています。
なお、糖尿病は初期の段階では目立った自覚症状が出ず、進行していくことで
- 体重の減少
- 喉が乾く
- 疲労感、倦怠感
- 目がかすむ
- 手足がしびれる
- 体力の低下
と言った、様々な症状が出てきます。
最悪の場合は失明したり合併症から死に至ることもある恐ろしい病です。また、一命をとりとめたとしてもインスリン注射をし続ける生活を余儀なくされることもあります。
糖尿病の疑いがある人は、内科に行くだけでなく歯科に行って自分の歯を診てもらうことも検討してみるようにするのがいいでしょう。
アルツハイマー病・認知症
2013年に「歯周病はアルツハイマー病を悪化させる」という内容の論文が名古屋市立大学から発表されました。
マウスを使った実験では、マウスに歯周病菌を感染させた場合、感染していないものと比較して認知機能が著しく低下したことが判明。
また、人間の場合も認知症で亡くなった人の脳からは歯周病菌が検出された一方で、認知症ではなかった人の脳からは歯周病菌は検出されなかったことも判明しています。
アルツハイマー病や認知症は老人の病気と思われがちですが、ストレスの多い生活や寝不足が原因で若くても発症してしまう病気です。
初期段階では、物忘れや記憶力の低下と言った軽い症状のためにあまり危険視することはありませんが、進行してしまうと仕事や日常生活に支障をきたすようになってしまいます。
脳梗塞・心筋梗塞
歯周病が進行すると、歯周病菌が血管に入り込む血管の内側に歯垢(プラーク)を形成し、血流を悪化させる原因になってしまいます、
脳の血管で血流が悪化した場合は脳梗塞のリスクが、心臓の血管で血流が悪化した場合は心筋梗塞のリスクが高まってしまいます。
敗血症
歯周病が進行すると、歯周病菌は歯を通りこして顎の骨にまで到達して、頬骨を溶かして雑菌を繁殖させてしまうこともあります。
また、繁殖した雑菌は血流に乗って全身を巡ることで敗血症を引き起こしてしまうこともあります。
敗血症になると
- 免疫の低下により病気にかかりやすくなる
- 心拍数や血圧の異常
- 呼吸困難
などの命に関わる重篤な症状を引き起こす原因になります。
また、敗血症の致死率は30%と言われており、大変危険な病気です。
まとめ
歯周病を防ぐためには、歯ブラシでゴシゴシ磨くだけではなく、歯間ブラシや電動歯ブラシなどで手では掃除できない場所もきっちり磨いていくようする必要があります。
また、歯ブラシそのものは口に入れたり、水に触れることで雑菌が繁殖しやすく、歯ブラシは1ヶ月に1回ペースで交換するのが望ましいとされています。
歯は体の中でも、とくに一生もので日頃手入れをする部分でもあるので、正しいケアを毎日していくように心がけたいものですね。
虫歯で歯が痛いとか、歯茎が赤くなるまえに、定期的にかかりつけの歯科でチェックを受けるようにしましょう。
ちなみにですが、歯に関してこんな豆知識も。
経営者や芸能人などで大きな成功を残している人の顔を調べたところ、実は「出っ歯」という共通点があったというエピソードがあります。
出っ歯の人は、歯が前にでる骨格をしていることから自然と笑顔に見える顔立ちで、そのことがビジネスやコミュケーションの場面でプラスに働いているため成功しやすいと考えられています。
出っ歯の芸能人といえば、明石家さんまさんや久本雅美さんのように、なんとなく笑顔が第一印象な人が多いですよね。
「芸能人は歯が命」という言葉もそのうち「芸能人は出っ歯が命」となるかもしれません。
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