世界有数の観光地、「京都」では年間5000万人以上もの観光客が訪れています。
しかし、ほとんどの人は京都の本当の魅力に気付いていません。
今回は京都をもっと楽しむために、京都の名所に隠された仕掛け、歴史についておまとめしました。
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三千院(京都府・大原)
京都の大原にある「三千院」は、1200年以上の歴史を誇る由緒あるお寺。
三千院の魅力のひとつは「庭」にあります。
苔むした庭には「わらべ地蔵」が点在しており、愛くるしい表情をしたこの地蔵をわざわざ見に訪れる人もいるそうです。
また「往生極楽院」の中には、国宝の「阿弥陀三尊像」が安置されており変わった姿をしています。
それは、左右の菩薩が正座のような「大和坐り」をしている事。
この姿勢の仏像は非常に珍しく、横から見てみると、前傾姿勢になっているのです。
仏像が作られた平安後期、仏教の教えは衰退し、人々の心の拠り所がなくなるという不安が広がっていました。
そんな時代に作られたからこそ、2体の菩薩は人々を助けに行こうと立ち上がろうとしている瞬間の姿をしているのです。
東寺(京都府・南区)
東寺は空海が真言密教の根本道場として信仰を広め、国宝の五重塔は木造の塔として日本一の高さを誇っています。
決して見逃してはいけないのが「講堂」の中にある21体の仏像。
そのうち16体は平安前期に作られ、現在では国宝に指定されています。
しかし、どこからみても一度に全ての仏像を見ることはできません。
これこそが空海が残した最大の仕掛けで、これは密教の教えを分かりやすくした「曼荼羅図」を立体的に表現したもの。
参拝客に曼荼羅の中に入こんだと思わせるため、わざと全体を客観的に見渡せないように作られています。
さらに仏像の配置にも意味があり、中心にいる「大日如来」を含めた5体は悟りを開いた如来の世界を表現しています。
大日如来を囲むように配置されているのは、「五智如来」で全て仏教を開いたブッタを表しています。
その右側に安置されている「五大菩薩」は穏やかな表情を浮かべ悟りを開くために修行する姿を現しており、
左側に安置されている「五大明王」は大日如来の化身とされる「不動明王」を中心に民衆を導き、仏の世界を見守っているそうです。
清水寺(京都府・東山区)
今では年間500万人が訪れる清水寺ですが、ほとんどの人が見ないで帰るスポットがあります。
実は、仁王門の左側に別の参拝ルートがありしばらく歩くと「千体石仏」と呼ばれるお地蔵さんや千手観音などが安置されています。
千体石仏は元々京都の各町内で祀られていたもの。
京都では古くからお地蔵信仰が盛んで、市内には約6000体が祀られているという説もあるのだそう。
約150年前、神仏分離令から派生した廃仏毀釈で神道が主流となり仏像や地蔵が破壊されてしまい、信仰心の強い人たちが石仏を清水寺へ運び、供養された後に現在の場所に安置されたのです。
平等院鳳凰堂(京都府・宇治市)
日本を代表する平等院鳳凰堂は「極楽浄土」の世界を現しているそうです。
中央のお堂をよく見てみると仏さまの顔だけが見えるようになっており、参拝できるようになっています。
中央のお堂に安置されている「阿弥陀如来像」は1053年に作られました。
この仏像には「八花鏡」とよばれる金箔の装飾が美しい天来があり、電気による照明がない時代、池に反射した光をさらに反射させ仏像を神々しく見せるために作られたのだそうです。
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