アメリカ映画には、日本人には見抜けないアメリカ人だから分かる隠されたメッセージが沢山あります。
そんなアメリカの映画で知る舞台裏についてや、時代背景についておまとめしました。
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「ミッションインポッシブル」で登場したテクノロジーはリアルでも開発!?
こちらの映画で登場するコンタクトレンズ式のアイテム。
これを装着し、相手を見ることで瞬時に相手の情報が端末に送られるというもの。
映画の中の架空のアイテムかと思いきや、実はアメリカの国防総省はコンタクトレンズから直接映像をみることができる「仮想現実コンタクトレンズ」の開発をしようとしています。
映画自体はフィクションですが、そこには現実世界が盛り込まれているのです。
「ワンダーウーマン」に隠された時代背景
2017年。日本でも公開された映画「ワンダーウーマン」。
全世界興行収入、850億円を突破した大ヒット作です。
ギリシャ神話に登場するアマゾネスの姫、ダイアナが第一次世界大戦真っ只中のイギリスへ上陸し悪に立ち向かうというストーリー。
その中にはこんなシーンが…
「私は彼の秘書のエッタ・キャンディよ」
「【ひしょ】って何?」
「彼が言ったとおりに行動するのよ」
「こっちでは「奴隷」をそう呼ぶわ」
物語の中で女性秘書の事を「奴隷」と揶揄しています。
そして注目すべきは、主人公が両腕にはめている金色の「腕輪」。
実は、ギリシャ神話の中で「腕輪」は「奴隷の象徴」なのです。
この映画の設定になっている時代は女性に参政権はなくその権利を求める戦いが続いた時代。
この映画にはそんな時代背景の現実が投影されているのです。
「フライト」から分かるアメリカのパイロットの現実
パイロットは憧れの仕事だと思われますが、実はアメリカではアルコール依存症のパイロットが社会問題になっています。
2012年に公開された映画、「フライト」。日本でもヒットし、アカデミー賞などさまざまな賞を受賞した代表的な映画の一つ。
突然制御不能となり急降下を始めた飛行機。絶体絶命の中、機長はあらゆる手段を駆使し、無事に着陸。
機長は多くの命を救ったものの…ある日、弁護士からこう告げられます。
「報告書によるとあなたからアルコールが検出されています」
「濃度は0.24%」
「世界一 飲酒運転に甘いこの国でも0.08%なら即座に刑務所行きです」
機長は、重度のアルコール依存症でしたがこれは映画の中の話だけではないのです。
アメリカでは実際にもパイロットのアルコール依存症が大きな問題になっています。
例えば2002年、アメリカ・ウェスト航空の機長と副操縦士に大量のアルコールが検出され逮捕。
さらに2009年、ユナイテッド航空の副操縦士からアルコールが検出され逮捕されています。
アメリカ人にとって映画「フライト」はシリアスな社会派映画なのです。
「ジュノ」から分かるアメリカの恋愛時事情の闇
2007年に公開された映画、「ジュノ」。
日本ではあまり知られていない映画ですがアメリカでは興行収入120億円を突破しています。
なぜアメリカではヒットしたのかというと、実はアメリカの社会問題がもとになっているからなのです。
パンクとホラーが好きな女子高生が親友との興味本位に性行為をして妊娠してしまいます。
中絶を考えていた彼女は同級生にこんなことを…
「赤ちゃん もう心臓が動いてる」
「痛みも感じるし、ツメも生えているのよ」
彼女はこの言葉を聞かされ中絶を思いとどまったのです。
実はアメリカでは年間100万人もの10代女性が妊娠していると言われています。
アメリカに多いカトリック教会では「婚前交渉」を禁止しています。
そのため、避妊の仕方を教えることはありません。
避妊の仕方を教えないことで若者たちの妊娠に繋がっているのです。
州によって今も「中絶」が法で禁じられている所もあるため、10代で未婚の女性が妊娠しても中絶できず貧困生活に陥ってしまうのです。
「X-MEN」から分かる人種差別の現状
超能力を持って生まれたミュータントが主人公のアクション映画「X-MEN」。
ミュータントたちはいわば人種的マイノリティ。つまりアメリカに存在する人種差別の苦しみとその開放運動をモチーフにしているのです。
さらに映画の終盤にはこんなシーンも…
「ミュータントたちよ。聞いてくれ。」
「もう隠れなくていい。苦しみは終わりだ」
「君たちは恥辱と恐怖の中で生きてきた」
「姿を現し私と戦うのだ」
「同志として力を合わせ戦おう」
これはサンフランシスコ市議会議員のハーヴェイ・ミルクの演説を引用したもの。
彼は1978年にサンフランシスコをゲイの解放区にし、また自身がゲイだと演説でカミングアウトしたのです。
実は「X-MEN」の監督もバイセクシャルであることを公表しています。
彼はこの映画を通して黒人や同性愛者など差別と戦う人たちに希望を与えていたのです。
トランプ大統領誕生の舞台裏が分かるアメリカ映画
「ブルックリン」
2015年に公開された映画「ブルックリン」。
アカデミー賞や主演女優賞にノミネートされるなど日本でも話題になった映画です。
アイルランドからニューヨークのブルックリン地区に移住してきた若い女性が見ず知らずの土地で新たな人生に一歩を踏み出すという物語。
タイトルになっているブルックリンは古くからユダヤ系やイタリア系に加え多くのアイルランド人が移住した場所です。
この映画には貧しい生活に強いられ、施しを受ける移民たちの姿が描かれています。
夢を抱き、アメリカに来た彼ら。しかし、ちゃんとした教育は受けられず肉体労働に従事するのが現実でした。
そんな彼らのために集合自宅を建設し、財を成したのがトランプ大統領の父でした。
そしてトランプを支持したのが移民たちの子孫だったのです。
トランプが大統領になるために訴えたのが労働者の貧困からの脱却。
彼自身、ホテルやビルの建設に雇用したのが移民たちでした。
彼らは少しでも生活が変わることを期待し、トランプを支持したと言われています。
「國民の創世」
今から100年以上前に公開された「國民の創世」。
南北戦争時代のアメリカが舞台となっています。ですが、黒人を演じるのは肌を黒く塗った白人。
彼らが白人たちを暴力で脅し、そしてそれに対抗する白人主義団体「KKK」を正義として描いています。
実はこの映画の公開当時、KKKは壊滅状態。しかし映画が大ヒットし、全米各地でKKKが復活。
そのKKKが正式に支持表明したのがトランプだったのです。
調べによるとトランプに投票した人の57%が白人だと言われています。
この映画でKKKが復活しなければトランプの当選はなかったのかもしれません。
「ファウンダーハンバーガー帝国のヒミツ」
2017年に公開された映画で、まさにトランプが大統領に就任した年の映画。
時代は1950年代のカリフォルニア。
そこで評判を呼んでいたのが、マクドナルド兄弟のハンバーガーショップ。行列の絶えない大人気店でした。
徹底して無駄を排除し、受け渡しまで30秒という店に客が殺到。
そこに現れた「レイ・クロック」という男がチェーン店を提案。
彼はチェーン店界を成功させ、最終的にはマクドナルド自体を買い取りました。
そこまで優秀な経営者がお店を開かず、なぜマクドナルドを欲しがったのでしょうか?
それは「マクドナルド」という名前が欲しかったからだと言っています。
実はマクドナルドという名前は、「マクドナルドじいさん」という童謡があるほどアメリカでは親しみを持つ名前なのです。
アメリカという国にとって、名前が国民に受け入れられるかどうかは大きな鍵を握ります。
トランプは誰よりもその事実を知っていたのです。
大統領にまで上り詰めたトランプも祖父の時代の名前は「ドランフ」というドイツ系の苗字だったそうです。
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